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仕事で必要なコミュニケーションの技法

一口に介護職といっても、ヘルパーやケアマネージャーあるいは送迎ドライバーまで、幅広く多彩な職種があります。
また介護をする現場も、福祉施設や病院あるいは居宅先など、数多く多岐にわたります。
しかしどんな介護職の仕事であっても、利用者の日常生活を介助し、自立を支援する点では大きな違いはありません。
そして、人と接することで介護サービスを提供する以上、コミュニケーションをする力が不可欠になります。
つまり介護職の仕事においては、コミュニケーションの技法をマスターし、経験を積んでいくことが重要になります。

この点、コミュニケーションの技法としては、ロジャーズによるセラピストの3条件が役に立ちます。
ロジャーズは、医療者や介護職側の指示的で威圧的な管理統制を否定し、あくまでも利用者側の主体性や自主性を尊重する、画期的なアプローチを創始した心理学者です。

まず3条件のうちの1つめは、共感的理解のアプローチ。
これは相手の内的世界や感情の部分に寄り添い、たとえそれが倫理性に欠けても、共感し続けるアプローチです。
この際には、援助者側の価値観や審判的な態度を、一切含んではいけません。

2つめは、無条件の肯定的態度です。
利用者がどんな態度や感情を表出しても、それを肯定的に受け入れる態度を意味します。
ここでも援助者は自らの価値観を挟んではいけません。

そして最後のアプローチは自己一致です。
いくら前述した2つのアプローチを理解しても、言動が不一致であれば意味がありません。
また利用者側もそれに気づいて、不信感をおぼえます。
したがって援助者は、純粋に利用者に共感して肯定するとで、自己一致を図る必要があります。